ご挨拶

  早いもので、開業してから丸7年が経過し、のんびりと患者さんと話ができた開業当初が懐かしくなるほど、忙しい日もたまにあります。周辺の医療機関からも甲状腺疾患患者さんの紹介が、増えてきております。疾患としては、甲状腺腫瘍が最も多く、大学病院からの細胞診の依頼もあります。実は、甲状腺癌の頻度は1000人に2−3人というくらい多く、良性腫瘍はさらに何十倍もの頻度になります。このように、甲状腺腫瘍の頻度は多いのですが、適切な診断を下せる施設が少なく、甲状腺ホルモンが正常なので心配いらないと放置されていた甲状腺癌の方も経験しておりますので、一度は専門医に診ていただくことをお勧めいたします。

 小児の甲状腺疾患を診る機会も増えました。大学時代は、小児科がありますので、小児甲状腺疾患と言えば、今も外来を行っている甲状腺専門病院の伊藤病院で診るだけでした。今では、小児にも潜在性の甲状腺疾患がかなり多いと感じています。日本甲状腺学会が作成しているバセドウ病治療ガイドラインでは、小児高齢者のバセドウ病治療の項目を担当しております。小児高齢者のバセドウ病は、診断に苦慮することが多いとされています。確かに成人のバセドウ病でも、診断に時間を要した例はしばしば経験しておりますが、甲状腺腫の目立たない小児高齢者では一層困難です。しかしながら、専門医が診れば、かなり早期に診断がつくことが多いです。小学校の校医さんに内分泌疾患のご経験のある先生が就任したとたん、甲状腺腫で紹介されてくる小児が増えました。一般の先生では決して分からない小さな甲状腺腫、あるいは甲状腺の性状の変化を見逃さずに捉えていただき、精査すると腫瘍や炎症が見つかります。ほとんど全ての例で、本人及び保護者には自他覚症状がありません。正に潜在性の病気です。

 甲状腺疾患は、一般の方には馴染みが無く、説明を聞いても理解するのが大変かも知れませんが、なるべくご自分の病気を理解していただけるように説明しているつもりでおります。その為、お待たせする場合もあるかも知れませんが、何卒ご理解をお願い申し上げます。

平成22年9月吉日

飯高医院 院長
飯高 誠


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