ご挨拶

今年は、コロナウイルスによる世界的な大激変の幕開けでした。専門家やWHOですら、ここまで大きな影響を地球規模で
及ぼすとは当初には夢想だにしなかった事態です。強毒性のSARSコロナウイルスの封じ込めに成功した油断があった上に、
症状が軽く蔓延しやすく、変異しやすいという性質がpandemicを引き起こした大きな原因でしょう。しかし、重症化してしまう例も少なくなく、その一因としてサイトカインストームという聞きなれない医学用語がメディアでもしばしば取り上げられています。
本来体を守っている免疫系が大暴走して臓器を損傷してしまう状態です。

甲状腺の病気でも、バセドウ病や橋本病は免疫系の暴走による障害です。橋本病の原因が免疫異常による病気であることを解明したDr. Doniachに1984年にトロントの学会でお会いしたことが昨日のように思い出されます。

コロナウイルス感染を恐れ、医療機関への受診が極端に減少しました。
当院もそうでしたが、非常勤でお手伝いしている伊藤病院でも患者数の減少は経験のないものでした。
自覚症状が少ない疾患も多いので、薬がなくとも大丈夫と自己判断するのは危険です。
定期的な検査と服薬が重要です。

ワクチンが安定供給されるまでは現状は改善されないと思われますが、感染に注意しながら、可能な限り診療を継続させたいと願っております。
皆様もくれぐれもご用心くださいますようお祈り申し上げます。

令和2年9月吉日
飯高医院 院長
飯高 誠



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